2025.11.22

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空き地の適正管理及び利活用に関するガイドラインから読み解く、これからの土地問題
執筆者:NOBORDERS不動産 小代
みなさん、こんにちは。NOBORDERS不動産の小代です。
突然ですが、みなさんのご自宅の近くに、なんとなく管理されずに草が伸び放題になっている「空き地」はありませんか。あるいは、ご実家の土地を相続したものの、使い道がなくて困っている、なんていうことはないでしょうか。
実は今、こうした「使われていない土地」が全国的に急増していて、大きな問題になっているんです。令和7年4月、国土交通省から「空き地の適正管理及び利活用に関するガイドライン」という新しい指針が発表されました 。今回はこのガイドラインの内容を紐解きながら、現場で不動産に関わるぼくの視点で、これからの土地管理についてお話ししたいと思います。
なぜ今、「空き地」が問題になっているのか
まず、現状を少し整理してみましょう。国交省の調査によると、世帯が保有する土地全体に占める空き地の割合は、平成20年から30年にかけて6.5%から12.4%へと、なんと2倍近くに増えているんです 。
なぜこんなに増えているのでしょうか。一番大きな原因は「相続」です。空き地を取得した原因の約4分の3が相続や贈与によるもので、所有者の約6割が65歳以上の高齢者世帯なんですね 。
現場でご相談を受けていても痛感するのですが、実家を出て遠方に住んでいるお子さんが土地を相続しても、使う予定がない。でも、売ろうにも買い手がつかない。そうして放置されてしまうケースが非常に多いのです。
その結果、何が起きるかというと「管理不全」です。雑草が生い茂って害虫が発生したり、不法投棄の場所になったり、あるいは枯れ草が火災の原因になる恐れもあります 。近隣の方からすれば、景観も悪くなるし治安も心配ですよね。実際に自治体に寄せられる苦情も後を絶ちません 。
しかし、自治体側も悩んでいます。所有者が分からなかったり、予算や人員が足りなかったりと、実態を把握するだけでも大変な労力がかかっているのが現実なんです 。
ガイドラインが示す解決策と、現場での実践
では、どうすればいいのでしょうか。今回のガイドラインでは、単に「草を刈りなさい」と強制するだけでなく、その土地を「地域資源」として活用していこうという方向性が強く打ち出されています 。
具体的にいくつか面白い事例や提案が挙げられています。
・地域コミュニティとの連携 所有者だけで管理するのが難しい場合、自治会やNPO法人などの地域団体に土地を貸し出し、管理してもらうという方法です 。例えば、地域の防災広場や、雪国であれば雪寄せ場として活用してもらう。あるいは「クラインガルテン」のような市民農園として利用してもらうケースもあります 。
・マッチングの推進 「土地を持っているけど管理できない人」と「土地を使いたい人」をつなぐ仕組み作りです。空き家バンクの土地版のようなイメージですね。ガイドラインでも、行政や専門家が間に入ってコーディネートすることの重要性が説かれています 。
・法的な措置の活用 もちろん、あまりに酷い管理状態が続く場合は、行政による「代執行(強制的な草刈りなど)」や、所有者が分からない土地に対する新しい法律(所有者不明土地法)を使った対策も進められるようになっています 。
ぼくが特に注目したのは、これらを「まちづくり」の一環として捉えている点です。ただの「迷惑な空き地」を、地域の人が集まる広場や菜園に変えることができれば、それはマイナスからプラスへの転換になりますよね。
これからの土地との付き合い方
今回のガイドラインを読んでぼくが改めて感じたのは、「土地は持っているだけで資産になる」という時代は完全に終わり、「土地は所有者が責任を持って管理・活用するもの」という意識への転換が迫られているということです 。
とはいえ、遠方に住んでいたり、高齢であったりして、物理的に管理が難しいという事情もよく分かります。だからこそ、所有者一人で抱え込まないことが大切です。
もし、みなさんが「管理できない土地」をお持ちなら、まずは「手放す」ことだけを考えるのではなく、「誰かに使ってもらう」という選択肢を持ってみてはいかがでしょうか。隣地の方に譲る、地域の団体に貸す、あるいは自治体に寄付の相談をするなど、道はいくつかあります 。
行政も、空き地と空き家の担当部署を連携させたり、相談窓口を設置したりと、体制を整え始めています 。ぼくらのような不動産会社も、単なる売買だけでなく、こうした「利活用」の知恵を絞ることが求められていると感じています。
放置すれば「負動産」になってしまいますが、活用すれば地域にとっての「富動産」になる可能性が、空き地には残されています。雑草だらけの土地を見てため息をつく前に、まずは一度、専門家や自治体に相談してみてください。ぼくたちも、その土地に一番合った解決策を一緒に考えさせていただきます。
